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映画「悪名無敵」八千草薫さん追悼

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競輪で一発儲けた清次(田宮二郎)が朝吉(勝新太郎)を連れて夜のジャンジャン横丁へ。と、そこへ昼間であったポン引き常公と出会う。「昼間口説いてた女・お君を働かせていないか?」と詰め寄る朝吉と清二。ふたりはポン引きに連れられあるバーへ。と、そこにいたのが朱実(八千草薫)だった。お君と朱実を近所の連れ込みに誘い出し、ひと波乱ののち二人と常公を北陸に逃亡させる。もちろん朝吉も一緒だ。だが、清次は売春組織・新湊組につかまってしまう。

お君は国元へ。常公は按摩屋の離れを借り朱実と所帯を持つと口約束。一方、朝吉はひとり片山津温泉へ、ここのホテルのラウンジで鉄火肌の女性・百合子(藤村志保)と出会う。一夜の情を交わした朝吉と百合子だったが、実は彼女こそ常公の所属する組の親分だった。一方的に朝吉に惚れた百合子だったが、組織の威信をかけてその情を断ち切ろうと尽力する。また、常公は朱実の機嫌を損ねてた挙句に彼女の在処を地元の親分を通じて密告する。

大阪に戻った百合子は何食わぬ顔をして事務所に戻る。清次は清次で組のポン引き成りすまして朝吉の帰りを待つ。朱実も常公も殴られ放題の体だった。百合子は清次と二人っきりになり、朝吉が大阪に戻らぬよう説諭する。それでも戻るようだったら、とピストルを清次に託し、片山津の女がそう言っていたと伝えてくれと言葉をかける。

大阪に戻ってきた朝吉は組の寄り合いに押し入り清次から預かったピストルを手に組織に、そして百合子に挑む。男と女の仲はここで亀裂が生じ、朱実と常公ふたりを助けるべく奮起する悪名コンビ。毎度の大ゲンカ。やがて軟禁されていた常公も改心し、消火器を抱いて喧嘩の間に割って入る。朝吉は組織から札束をもらい、それで百合子を買うと言って朱実のいる部屋へ。そこで夜の女の不幸を嫌というほど体現し、「堅気の女になれ」という朝吉の言葉に涙を流す。

薄幸な汚れ役に挑んだ八千草薫。役柄的には藤村志保に看板の座を奪われたが健気な演技でキャリアを積んだ。